この世に「カウンセラー」ほどあやしい職業・肩書きはないと思います。
弁護士は法学に基づき法律を扱い、医師は医学に基づき医療、保健を司ります。
では、カウンセラーは「心理学」を根拠に「人の精神」を扱うとでも言うのでしょうか?
カウンセラーという職種がなんとも胡散臭いのは(言っちゃった、、、)
おそらく「心理学」も、「人の精神」もどちらも捉えがたいものだから。
つまり、「よくわからない学問」を根拠に、「掴みどころのない対象」を扱うのがカウンセラーと呼ばれる職種です。
それでも僕たちは自分の心と折り合いをつけていく上で、どうしても外部からの支援を必要とする局面があります。
そんな時、どうやって支援者を選べば良いか。 今回はチェックリストのような形で、その判断基準をいくつか挙げてみたいと思います、、、
チェック項目は3つだけ
あなたがなんらかの理由で良いカウンセラーを探している、または現在担当してもらっているカウンセラーに対して疑問を感じている場合
これからあげる3つの項目をその基準に判断することをオススメします。
これらの3つのチェック事項は、カウンセラーに限らず「心の問題を扱う支援者」にとって、その「品格」を問うもの、と言ってもいいほど重要な項目です。
ここであえて適正や素質、資格といった言葉を用いず、「品格」という語を用いた理由についてはこの記事の最後に簡単に触れようと思います。
その①:依拠する理論が明確か?
当たり前のことですが、どんな専門職にも、その仕事を一般の人々とは異なるレベルで行える根拠となる技術体系のようなものがあります。
それは対応マニュアルであったり、データベースであったり、実践にもとづいた理論体系であったりします。
大工が素人よりも立派な家を立てられるのは、利器の使用方法から設計、建材の加工、組み立てまで
代々引き継がれてきたであろう、建築に関わるあらゆる集積知を彼らが使いこなしているからに違いありません。
同じように、人の心の問題を扱う専門職にも、それを適切に行うために依拠する根拠、理論・技術体系が必要とされます。
そこで、あなたがまず第一に確認すべきことは
その支援者が「明確な理論を持ち合わせて支援に当たっているかどうか」ということです。
「(専門職を名乗っているからには)そんなの持っているにきまっている」
と、消費者は考えがちですが、実際はそんなことはありません。
-中身のないものはハリボテで偽る
ことカウンセラーについては、よくわからない理論体系名を上げ連ね、自分は多くの知識をみにつけた支援者だと偽るパターンが少なくありません。
具体的な名称は避けますが、〇〇理論、〇〇心理学といった謎の理論体系(?)名をWEBページのプロフィール欄などにいくつも並べ立てている人物を目にすることがありますが
これはもはや「自分はなにもわかっていない」と言ってるのとほとんど同義ですね。
あなたが目の前にいるカウンセラーのことを「あやしい」と感じた場合「〇〇理論について詳しく教えてください」と聞いてみるといいです。
それが深淵で難解な理論であるかのよう、よくわからない専門用語を並べ立てて煙に巻かれたら、そのカウンセラーは
雰囲気だけでカウンセリングを行なう「品格の低い」支援者だと考えて問題ありません。
-流行りの心理学ワードしか出てこない
また、明確な理論をもちあわせていないカウンセラーによくみられるパターンの一つが「流行りの心理学ワードしか使わない」と言うものです。
「アダルトチルドレン」「自己肯定感」「自己受容」「自分軸」,,,etc
こういった「誰かが考えた流行りの理論」を、受け売りで用いるのは、「それ以外に頼る術がない」ことを明白に表していますね。
依拠する先に揺らぎない理論体系をもつ人支援者はそういった流行りの考えに流されることはまずありません。
流行りのものにしがみつく人物のことを世間一般では「素人」と呼びます。
蛇足ですが、ダイエット法よろしく、「〇〇だけすればすべて解決する」という理論(?)は「還元主義的手法」といいます。
問題の原因をある一つの要素にフォーカス(還元)することで単純化してしまうやり方です。
この方法は往々にして失敗します。
ある一つの要素だけを扱って解消する問題なんて、そもそもほとんど存在しないからです。
まして心の問題がそんなに単純なわけないですよね。
「自己肯定感」で全て片付くなら「死にたい」人はすぐにでもこの世からいなくなってるはずです。
その②:コミュニケーション能力が高いか
閑話休題、話をチェックリストに戻しましょう。
よく「カウンセラーとの相性」といった言葉を耳にします。
・相性が合わなかったから他のカウンセラーを探してみよう。
・なかなか相性の良いカウンセラーに当たらない。
といった感じにです。
けど、これらは実はおかしな話です。
例えばあなたが胃潰瘍の治療のため医師を訪ねて
・あの医師とは相性が悪いから他をあたろう
なんてことを考えるでしょうか?
僕なら、どんな医師であれ「胃潰瘍を治療してくれさえすればそれでいい。」そう考えます。
言い換えれば、胃潰瘍を完治させてくれる医師こそが僕にとっての良い医師だ、となります。
カウンセラーと「お付き合い」でもしたいのではない限り、「相性」という概念が出てくること自体が誤っています。
支援者はクライアントの問題を解消することを業務の主たるものとする。
そのために支援者が「クライアントに相性を合わせる」のは「医師がメスを持つ」ことと同じように
職務を全うするため必要不可欠な「職能」の一つと言えます。
なので平たくいうと、あなたが合わないと感じるカウンセラーはその点において、無能である(あるいはそもそもあなたに合わせる気がない)ということです。
そして関係性において相手を不快にさせない能力のことを「対人感性力=コミュニケーション能力」といいます。
これは他人の心の問題に踏み込むことを生業とするうえで、コミュニケーション能力は端的に必要最低限の職能というだけの話しです。
その③:実績があるか
ここで「偽カウンセラー問題」を取り上げます。
曰く、カウンセラーは独占業務(医師や弁護士のようにその名を名乗り業務にあたることのできる資格が法的に定められているもの)でないが故に
無資格の自称カウンセラー(=偽カウンセラー)が市場に溢れ回ってしまっており、洗脳さながらの問題を起こしている。
ーゾッとしますね。
-なぜ偽カウンセラーが問題になるか
ただこの主張は往々にして、心理学関係の有資格者によってなされます。
臨床心理士や公認心理士(国家資格)などの有資格者が、無資格でカウンセリング業務をおこなう人々を断罪している形です。
世間でこうした主張が起こるのは、いつでも「利害関係」が絡んだ時です。
そこから考えると、わざわざ彼らがこの主張をしなくてはならない理由は、彼ら自身が「資格を取ったが稼ぎ口がない」ためでしょう。
そうでなければ「放っておけばいい」だけのことです。
この事態から見えてくるのは、それほどにカウンセラー同士による、クライアントの争奪戦が激化しているということくらいしょう。
-偽カウンセラー問題の落とし所
僕の見解としては、やはり、そんなの放っておけばいい、であり、突き詰めると「そうするしかないから仕方ない」となります。
僕も心理学の学士号までは取得しているものの、それを公言することはほとんどないし、彼らからすれば無資格の偽カウンセラーの部類に入れられてしまうことでしょう。
では、カウンセリングを独占業務にした場合になにがおこるか(それを取り締まるための現実的な問題は別として)
単純に、カウンセラーが不足します。
量的にもそうですが、おそらく質的にも
そうすると困るのは消費者です。
そして得をするのは有資格者だけです。
心理学の資格を取る方が、医師資格や弁護士資格をとるよりも楽に儲けることができる、というような事態が現実に起こるでしょう。
これが理想的な状況かどうかは少し考えれば誰にでもわかります。
逆にいうと、だからカウンセリングが有資格者だけの独占業務になったりはしていないのでしょう。
-有資格者は良きカウンセラーか
では今度は、資格をもって、カウンセラーとしての質を担保することができるのか、それが問題になります。
答えはもちろんNOです。
心の問題を支援するものの素質として僕は「コミュニケーション能力」を挙げました。
資格をもってしてコミュニケーション能力という非線形的で数値化が困難なスキルを保証することが可能か。
そんなの無理に決まっています。
それは再現性の低いほとんどセンスといって差し支えないものだからです。
また、「心理学=カウンセリングではない」ということも心に留めておかねければなりません。
実際に僕は心理学の学士課程で一度きりでもカウンセリングの実践的な知見を学ぶ機会に遭遇しませんでした。
また、資格は言って仕舞えば「時間と金」をかければとれてしまうものです。
確かに、時間と金をかけていない者より、かけている者の方が質が高い可能性は高いでしょう。
だからといって、それをもって有資格者=良き支援者と断定するには無理があることは簡単に想像がつきますね。
-市場原理に委ねる
そこで、最後に頼りになるのが市場原理です。
平たく言えば、売れているものは良い。人気が出るにはそれだけの理由がある、というものです。
そしてここが重要な点ですが、売れ続けるということはそれだけ「実績が積み上がっている」ということです。
売れなければ業務を続けること自体、基本的には不可能ですからね。
売れていない有資格のカウンセラーと、資格はないけど予約が取れないカウンセラー
どちらを信用しますか?
話は簡単なことです。
いわばカウンセラーの実力を客観的に示すものは資格ではありません。実績です。
これも当たり前のことですね。だけどなぜだかこの分野は「当たり前があたりまえになっていない」から
こうやってわざわざ言葉にする必要がでてきます。(今後も僕は、この当たり前のことを書き連ねていくことになるんだと思います。)
最後に
ここまでの話をまとめると
あなたが心の問題について支援を必要とした際、良き支援者を選び出すために指標とすべきは次の3つのことです。
1.その支援者は(借り物や流行り物ではない)理論に依拠し、それを自分の言葉で説明できるか
2.その支援者はコミュニケーション能力が高いか
3.その支援者には実績があるか
そして、冒頭で触れたように僕がこれらの基準をみたすかどうかについて適正や素質、資格といった言葉を用いずあえて「品格」という語を用いた理由は
このような支援者として最低限必要な職能が、あまりにも疎かにされている現実があるためです。
今では副業でも簡単にカウンセリングサービスを始めることができます。
それゆえ安易にカウンセラー業務を開始してしまう人が少なくありません。(ほとんどの場合、集客段階で躓きクライアントと相対することすらなく終わるのが大半ですが)
彼らに足りないのは他人の心の問題を扱うということに対する覚悟や自覚です。
それはつまりスキルや職能以前の気構え、つまり「品格の問題」と言えます。
そして、その品格さえあれば、上記の3つの要素は自ずと備わってくる(備わっている)ことがほとんどなのです。
-品格を見極めるのも、出会うのも現実には難しい
では、消費者としてあなたはどうすればいいのか。
今後、市場原理によってカウンセラーたちは自然淘汰され、ある程度の期間が経てば「いいものが残る」ことは確かでしょう。
しかしそれがいつになるか、そしてたとえそうなったとしても、その中であなたが良き支援者に出会えるかどうかはやはり運次第です。
「死にたさ」は待ってくれないし、命のためにサイコロをふるわけにもいきません。
それならやることはただ一つです。
-賢い消費者になること。
また、当たり前のことを言いました。
中身を見ずに商品の購入を決める人はいません。
なのに「心の支援者を選ぶ」という重要な選択に際して、まともに中身をみようともせず、そこに飛び込んでしまう人が少なくありません。
上記の3点を参考によーく見極めてください。
-あなたならきっと大丈夫。
大丈夫。今あなたがこの記事をここまでしっかり読んでくれているということは
あなたはその見極めをきちんとしようとしているということの何よりもの証拠です。
きっとあなたは良き支援者と巡り合うことができます。
あとはあなたが判断をくだせばいい。
話はやはりいつも簡単なことです。